- うきね
- I
うきね【憂き哭・憂き音】悲しみ泣くこと。 また, その泣き声。II
「浮き寝」にかけることが多い。 「つがはぬ鴛の~をぞなく/新後拾遺(冬)」
うきね【浮き寝】(1)水鳥が水の上に浮いたまま眠ること。 また, 水上に停泊した船中で寝ることにたとえていう。「浮き」に「憂き」の意をかけて, 不安な思いで寝る意を表す場合が多い。 「海原に~せむ夜は/万葉 3592」「しきたへの枕ゆくくる涙にそ~をしける恋の繁きに/万葉 507」
(2)かりそめの添い寝。III「かりなる~のほどを思ひ侍るに/源氏(帚木)」
うきね【浮き根】〔「うき」は泥地の意〕泥中に生えた水草の根。 アヤメ(現在のショウブ)についていう。 多くは「憂き音(ネ)」にかけていう。「~のみ袂(タモト)にかけしあやめ草引たがへたる今日ぞうれしき/栄花(浦々の別)」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.